●【金曜日の妄想的裏路地】


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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飯屋と言えば、
過去幾度となく幽霊が怨めしげに、
その氷の瞳を投げかけ丼を凍らせて行き、
知らずのうちに、それを食した客の寿命を削り取って行く場所である。
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そんな印象を定着させてしまいそうな廃屋で、本日のランチを食す事になった。
壁に張られた一枚の、本日のランチと書かれた張り紙をみる限り、
朝でも昼でも夜でもランチで有ることが伺えた…
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目玉焼き豚のしょうが焼き、ハンバーグにケチャップのナポリタン、
そして極太のキャベツの千切り…
なるほど昔懐かしい洋食屋のメニューと言うやつか…
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しかし、そんな豪華なメニューでさえ私の頭痛は直ならかった…
「さあ、しっかり食べて、
これから起こるであろう稀に見る体験に備えようではありませんか・・・」
三流記者のアキは能天気な雰囲気をかもし出していた・・・
私は久しぶりの故郷をに思いを馳せ、
うっすらと何か得体の知れない恐ろしい出来事が起こるのではないかと、
落ち着かない気持ちであった。

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かつて、
この様な廃墟たる様相を示した無人駅に訪れた事があっただろうか、
駅舎はとうに死に絶え、時間が完全に凍結しているかの様だ…
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我々は夜明けまでまだ時間があったので駅舎で仮眠を取ることにした。
しかし駅舎に飾られた古びた天狗の面が私を落ち着かない気持ちにさせた。
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取り分け天狗の鼻先に止まっている奇妙な甲虫が
ガシガシと軋み音をたてているのが耳障りでならない。
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向かいのベンチで寝ているアキは警戒心も無く無邪気に寝入っている。
カリカリ…
カリカリ…
甲虫が木を、天狗の鼻をかじる音が気になりどうしても寝付けない。
それは私の脳に楔を撃ち込むかの様に深く突き刺さってくる。
私はとうとう我慢できなくなり、近くに転がっていた棒切れを拾うと、
この醜悪でみた事の無い甲虫目掛けて破壊の衝動を打ちつけた。
ima65ges.jpg
その瞬間なんとも言えない金切り混じりの醜悪な悲鳴があがり、
火花と共に煙が舞い上がった。私は、その異常な光景を確認しながらも、
突如襲った睡魔に抗しきれなくなり、大きなあくびと共に意識を失ってしまったのだ…

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私は単に、
ほんの少しで良いから
過去に触れ合いたいだけである事を
彼に説明してやった。
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しかし、
彼は私の話を素直に理解してはくれなかった…
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「なるほど貴方がおっしゃりたい事が、だいたい理解出来ました。
シナチクに歯応え、ナルトに艶やかな妖艶さ、そして刻みネギに刺激を…、
貴方はこう言いたい訳だ、チャーシューはどこだと…」
アキと名のる記者は勝手に結論付けをすると、更に続けた。
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「この汽車は貴方と私の出会いの場所に過ぎないのです。
即ちラーメンの器なのです。どうでしょう。
この汽車を一度降りて貴方の故郷に訪れてみては…」
私は車窓を眺めながら、
一度故郷に帰るのも悪くはないと考えていた…
002_20110603214253.jpeg
何よりも、
このラーメンの麺の様に絡まり始めた状況を一旦ときほぐしたかった…
「そうそう途中で美味しい飯屋でもよってきましょう。
腹が減っては戦は出来ぬと言うではないですか…、
食い物はラーメンだけではないのです。
どうしました怪訝な顔をして、
大丈夫!私は嘘は言いませんですから」
005_20110603214253.jpeg
アキは両目を細めて笑みをこぼした。

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男は黒猫の様な風貌以外にも、
左の瞳を中心に上下に貫通している特徴的な傷がある…
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しかし、
黒猫な男の斜め向かいの座席からは、
月夜の影のごとく彼の横顔の反対側にある傷が隠れてしまっている。
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まるで彼の得たいのしれぬ本性を表しているかの様だ。
彼はいったい何者なのだろう…
男は、そんな私の気持ちを察したかの様に口を開くと
「実は私は三流出版社の記者をしておりまして、名前をアキともうします。」
と名乗りをあげた…
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「あまり大きな声では言えませんが、私の知り合いである先生の話によると、
誰も知らない深夜の汽車に乗ると特ダネに出会えると言う統計が出ているのです。
察するところ貴方こそが私の特ダネに違いがないのです」
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私には、この男の言わんとしている内容を理解することが出来なかった。
私に特ダネを求めるなんて余りに不謹慎である。
「では手始めに、貴方は、この電車で一体どこえ行こうと言うのでしょうか?」
そんな事聞かれても私の方がどこえ行くのか知りたかった…

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夜が静まり返り、
カエルの腹がダンボールの様に干からびて変色しそうな程である・・・
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そんな世界で唯一存在すると思っていた汽車の車輪の音。
そこに隠れるように小さな世界が存在していたのだ・・・
グツグツと煮えたぎる鍋から真っ白い蒸気はほとばしり、
窓ガラスを染めていた・・・

その、揺らめく湯気の向こう側で、
鍋を片手に小さなコンロの上で料理をしている男がいた・・・
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男は、私が、この男の存在に気づいたのを認めると、
口元と目じりをなごませて、
「インスタントラーメンは、やはり塩、それも具無しがいい・・・」
と囁いてきた・・・
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私としては、
この問いに同意したい気持ちもあったのだが、
このような場所でインスタントラーメンを造っている人物に出会うとは
思いもよらなかったので、しばしの間言葉を失ったままでいた・・・
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「何も考える必要は無いよ。ぼくは君にラーメンをご馳走する。
君は、それを受け取り、一心不乱に食べればいいんだ・・・」
野良猫の様な男は悟りを開いた様な顔をして私に、
金物のマグカップにラーメンを注ぎ勧めてくれた・・・
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私はせめて、長ネギなどの薬味が欲しい気持ちであったが、
それは胸の中にしまっておく事にした・・・

そして、
夜遅い時間に、
このような郷愁漂う汽車で食べるインスタントラーメンと言うものが、
これ程までに格別な味わいを持つ事に初めて気づいたのだ・・・
そもそも、インスタントラーメンの味覚の美味さ以上に、
この様な汽車音ただよう郷愁深い異次元の中で、
ささやかにもインスタントラーメンを味わうと言う行為そのもが、
味わい深いのである・・・
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ただ、
金物のマグカップは灼熱の業火でもって私を焼きつくすかの様だった・・・

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