即興新潟県


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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群馬県から
新潟県へ一般道で入るには、

17号線をひたすら進み、法師温泉を通り越して、
三国峠をこえねばならない……

この曲がりくねった峠道には有名な温泉旅館も多く、

ぼくも、かつて法師温泉「長寿館」に宿泊したことがあった。
当時は雪も降りしきる時期で、

法師温泉の少し手前の赤谷湖を望みながら
スモークチーズと生ハムでサンドイッチを作り楽しんだものだった……

あれから、もう十五年も経過したのか……

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しかし、ぬくぬくとした感慨にばかり更けている場合ではない、

この温泉の先にある三国峠こそが、
新潟県へ入る最大の難所と言わざる得ないだろう……

何故なら、
この三国峠にある三国トンネルでは幽霊が出ると言われている。

そう……
そんな事が言われている以上、ここを通過する者のたしなみとして、
幽霊体験をするのが礼儀であろう……

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それが、どんなものであろうとも、
この旅路を彩る重要な要素になるのは間違いがなかった。

まさに、旅の醍醐味である。

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恐怖の為か、
肌が敏感に大気の変化を捕らえ、小刻みに震える。

雨脚も強くなってきたようだ……

しかし、トンネルはもうそこに迫っている……


裏路地小劇場 第八幕 完
次回 第九幕へ つづく……



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17号線
何処までも下って行くと、
すっかりと夜も明け、どんよりとした雲が空を覆っている様が

フロントガラス越しに見ることができた。

時折パラパラと窓を打ち付ける雨粒があるものの、
辛うじで曇り空を維持していた……

確か、台風のピークは今日のはず、
今日を乗り越えれば、晴れた夏の日差しが体感できるはずだ……

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17号を通って桶川市を通り抜けてゆくと、
自然と桶川ストーカー殺人事件の事が思い出され、

被害者と恐ろしい殺人者たちの攻防や、

唯一の希望であったはずの埼玉県上尾警察署の不正と
裏切り事が自然と思い出されてしまう。

最終的には写真週刊誌FOCUSの清水潔氏らの活躍により
事件の全貌が明らかとなり、

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加害者の主犯は自殺をし、警察内部の闇を世間に知らしめた。

そして、
このような気持ちの悪くなるおぞましい事件は幾度と無く繰り返され、
警察機関の腐敗振りも同じ様に繰り返されてきている……

熊谷市を抜け、伊勢崎方面を突き進むと、
群馬県庁手前を右折して渋川伊香保方面へ進むのだが、

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過去の記憶に残る、
おぞましき事実に思わず右折するのを忘れしまった。

だが、時間はまだまだ朝飯的な頃合に過ぎなかったのだ……
 
ぼくは左手方面にそびえる榛名山に思いを寄せながらも、
国道17号線をひたすら下っていったのだ……


裏路地小劇場 第七幕 完
次回 第八幕へ つづく……




ぼくは、
ねっとりと絡みつく視線に耐えながら、
ミント味のガムを一つ手渡した。

店員の女は、
まるでぼくに挑み、襲いかからんとする眼差しで、
キロ80円だなんて言わせない、200円はいただいて見せるわ……

と、言いたげにガムをひったくると、
舌なめずりをした。

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「おせんに、キャラメル、肉厚な抱擁などはいかがですか……」
店員は熱い吐息とともに、絡みつくような粘ついた台詞を吐き出すと、
ぼくの手を握り締めた。

しかし……
彼女の容貌は、ぼくの好みからは対極に位置するものであるはずなのに、
どういうわけか、欲情がこみ上げて来て仕方がなかった。

でも、こんなところで体力の消耗をする訳にはいかなかった。
ぼくには日本海へ行くと言う、ささやかな目的があるのだ。

そんな思いを抱きながら、この膠着とした状況を打破するために、
彼女の手をゆっくりと押し戻すように力を加えながら、
軽く頭を下げて丁重な断りを入れた。

女はがっかりしたように溜息を吐くと、ぼくの胸グラを掴んで引き寄せると
唇に口付けをし、それ以上の行為は断念したようだった。

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車に戻ると、
店員が付いて来ていないことを確認して直ぐにロックした。
襲われるのではないかと言う恐怖感が、ぼくの指先の震えを誘ったのだ。

「まいったな……」
唇についた真っ赤な口紅を拭うと、
クーラーボックスに入れておいた缶コーヒーで口をすすいだ。

まだまだ完全な夜明けとは言えない時間帯なのに、
この疲労感はどうだろう……

 一般道で旅することに馴れていないぼくにとっては、
この先まだまだ知らない世界が広がるのだ。

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そんな事を考えるぼくの脳裏には、
子供の頃毎日の様にぼくを震え上がらせていた、
夏休みの怪奇特集の事が思い浮かんだのだった……


裏路地小劇場 即興新潟県 第六幕 完
次回 第七幕へ つづく……




なんて言おうか……

一旦、休憩のことを考え始めると、
途端に、もよおしてくるのである……

ポンポンが痛い……

そう……

例えるならば牛丼の汁だくであれば、
乾いた身体に染み渡ると、ジワジワと活力が漲ってくるが、

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その病魔のごとき欲求はジワジワとぼくの肉体と精神を犯し、
生命を維持するための力を奪い去り、指先の震えをさそったのだ……

まさに、恐怖以外の何ものでもなかったのだ。

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それでも、街の灯りに吸い込まれる虫けらの様に、
コンビ二の無機質な照明に誘われると、

痺れるつま先で個室に駆け込んだのだ……

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これで、当分の間は運転に集中できると言うものだ。

さて、
コンビニとはいえ、それなりの義理は果す必要があるだろう……
トイレを借りたお礼にガムでも買ってゆくか……
そう思ってレジの方へ近づいて行くと、

なんだか強い香水と汗くさい風味が、
ぼくの身体を緊縛するように纏わり付いてきたのだ。
「いらっしゃーい……」

その女の眼差しは、
妖艶かつしっとりとぬめり気を帯びた生臭い光を漂わせていたのだ……


裏路地小劇場 即興新潟県 第五幕 完
次回 第六幕へ つづく……







東京外かく環状道路
略して外環を経て、川口を右折して岩槻方面へ向かう……

途中まで、
上空を走る高速道路が屋根になっていたため気づかなかったが、
先程の天気とは打って変わって雨が激しく打ち付けていた。

バチバチと打ち鳴らす雨音と共に、
フロントガラスが瞬く間に激流に覆われてしまった……

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しかも、外灯やヘッドライトの輝きすらも闇に霞んでしまい、
かろうじでホテル街を左手に望む事が出来たが、

残念ながら、そんな事に気を配っている余裕はなかった。

それよりも、
時折猛スピードで走り抜けるトラック以外の車両は、殆ど皆無で、
打ちつける雨の中、安全運転を意識しないと、スピードがどこまでも上がり続けた。

そして、池の様な深い水溜りを走り抜ける時の水しぶきが空中に荒々しく舞い、
その轟音に身が竦む思いがしたのである……

それでも、岩槻を抜ける頃には雨もだいぶ弱まり、
ホッと一息入れると共に、再び静寂とした夜を迎えたたのだった。

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「ふう……、無事に抜けられた……」

この辺りに来ると自動車もそれなりに走っており、
16号を経て17号へ入る頃には空もだいぶ明るくなっていた。

微かな空腹感を感じると、
用意しておいたサンドイッチで軽めの朝食を取ろうと考えた。

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そろそろ手洗い休憩をしても良い時間だろうか……
ぼくは食料にかぶり付いたのだ。


裏路地小劇場 即興新潟県 第四幕 完
次回 第五幕へ つづく……








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