妄想裏路地 その28a


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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夜が静まり返り、
カエルの腹がダンボールの様に干からびて変色しそうな程である・・・
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そんな世界で唯一存在すると思っていた汽車の車輪の音。
そこに隠れるように小さな世界が存在していたのだ・・・
グツグツと煮えたぎる鍋から真っ白い蒸気はほとばしり、
窓ガラスを染めていた・・・

その、揺らめく湯気の向こう側で、
鍋を片手に小さなコンロの上で料理をしている男がいた・・・
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男は、私が、この男の存在に気づいたのを認めると、
口元と目じりをなごませて、
「インスタントラーメンは、やはり塩、それも具無しがいい・・・」
と囁いてきた・・・
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私としては、
この問いに同意したい気持ちもあったのだが、
このような場所でインスタントラーメンを造っている人物に出会うとは
思いもよらなかったので、しばしの間言葉を失ったままでいた・・・
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「何も考える必要は無いよ。ぼくは君にラーメンをご馳走する。
君は、それを受け取り、一心不乱に食べればいいんだ・・・」
野良猫の様な男は悟りを開いた様な顔をして私に、
金物のマグカップにラーメンを注ぎ勧めてくれた・・・
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私はせめて、長ネギなどの薬味が欲しい気持ちであったが、
それは胸の中にしまっておく事にした・・・

そして、
夜遅い時間に、
このような郷愁漂う汽車で食べるインスタントラーメンと言うものが、
これ程までに格別な味わいを持つ事に初めて気づいたのだ・・・
そもそも、インスタントラーメンの味覚の美味さ以上に、
この様な汽車音ただよう郷愁深い異次元の中で、
ささやかにもインスタントラーメンを味わうと言う行為そのもが、
味わい深いのである・・・
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ただ、
金物のマグカップは灼熱の業火でもって私を焼きつくすかの様だった・・・

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