裏路地小劇場 場末のひと 第三幕


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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オレンジ色の灯火が闇の隙間に囁きかける静まりかえった店内、
酒の香りの染み付いたカウンターの上で気だるい身体を感じた。

腐ったアルコールとママのネトついた色香のせいか酷く頭痛がした。
今更ながら酒など飲まないで早く帰れば良かったと後悔した……

狭いカウンターの上には背中の肌を露にした死体の様な女が寝そべっている。
まるで腐臭が漂っているかのようだ……

だが、闇の空間に蠢く女の白い曲線が私の欲情をかきたて、
生暖かい肌に無意識に手が滑り込んだ。

私は意志の赴くままに肉塊をむしり取るように指の隙間から乳首をはみ出させた。

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そのまま怪物のように首筋に吸い付くと背後から思いの全てを突き立てた。
女は苦悶の表情をしながら刹那的な悲鳴をあげた。

女の顔が身をよじるように振り向いて私の唇に吸い付き、
私もその求めに即座に応じた。

その直後である……

今まで思い描いていたママの表情が溶けた蝋燭のように
ただれ、恐怖に身似たおぞましさを感じた。

しかし、私の意思とは無関係に
一旦動き出してしまったものを止める事は出来なかった……

私は全てを振りきってまだ夜の明けきらない街の中へ飛び出した。
信号の灯りに照らされた交差点の真ん中で一人佇み

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地面を見つめたまましばらく動けないでいた。

冷たい風を微かに感じた頃であろうか、
いくらか落ち着いて来ると人の気配が全く無い事に気づいた。
もう夜も終わったと言うことだろうか……

しかし、だからと言って朝が来た訳でもない。
ただ路地の所々に輝いていた看板もすっかり火が消え去っている。

いいや、灯の消された看板の隙間に微かに輝く看板が……

私はまだ覚めやまぬ悪夢の中にいるのだろうか。
もしこれが現実の出来事なのだとすると世の中は本当に
情報メディアによって人間の意志すらも支配され虚構に有り触れた
世界になってしまったのかもしれない……

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そこに存在するのはまるで異世界へと誘う暗黒の入り口であろうか、
それとも……

いずれにしても間違いなく私が求めて止まなかった
目医者の看板だったのだ……



裏路地小劇場 場末のひと 第三幕 完
第四幕へつづく……






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