裏路地小劇場 場末のひと 第八幕


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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 そこは深い混沌とした忌むべきものたちの住処へと続く
道筋であろうか、

のれんを潜り抜けた先にはロウソクの灯る長い廊下が
暗い闇の中へとつながっていた……

奥深くに進むに従って
何かが時を刻む様な無数の音色が漂い始めた。

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私は骨董屋の白衣を着た背中を眺めながら次第に
緊張感が高まるのを感じた。

そして右手にある螺旋状の急な階段を上り行き、目の前に立ち塞がる
襖をすーっと開け放つとその空間の放つ異様な光景に息を飲んだ。

部屋の中は無数の柱時計によって
隙間なく壁が埋め尽くされていたからだ。

いいや壁だけではない床の上も僅かな空間を残すだけで
無数の柱時計が墓標の様に乱立しカチカチカチと振り子を奏でながら
時を制圧していた。

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まるで失われた過去の歴史を全て管理しているのではと思わせる
不可思議な感覚だった。

骨董屋はゆっくりと後ろを振り返り私に椅子を進めると問診し始めたのだ。

ダルマストーブの炎が柱時計の振り子音に踊らされているのか
ユラユラとした陰影が私を揺さぶりかける。

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「あなたが長きに渡って抱えていた危機感。
きっとあなたが繊細な感覚の持ち主であるからこそ
感じてきた事に違いがありません。

既にカルテに書いてある事は確認済みですが、
お聞かせ願えないでしょうか?

あなたのその胸に秘めた思いを……」

骨董屋は今まで私を診療してきた多くの医者とはかなりの点で
異なっている様に思えた……


裏路地小劇場 場末のひと 第八幕 完
第九幕へつづく……





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