裏路地小劇場 魔法少女 第三幕


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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血にまみれた巨大な花弁が、
まるで女性を犯すかの様に欲情し荒れ狂った。

ただ犯される対象はぼくであり、
おぞましくも狂乱とした快楽に我を忘れた……

しかし……
幸いと言っていいのか、ひどい頭痛と胃のムカつきが、
非現実的な夢の中から徐々にぼくをフェードアウトさせた……

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ふと意識が回復し、定まらない視点が徐々に焦点を結んだ。
全く知らない空気の漂う空間だった。

「お客さん。大丈夫ですか?」
コップに水を入れて持ってきてくれたのはエミだった。

だとするとここはエミの部屋なのだろうか?

「ここは……」二日酔いの最悪な気分の中、
水を一気に飲み干すと周りを見渡した。

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「お店の二階なの。私もここに置いてもらっているから……」
彼女はそう言うと膝を抱えて座りこんだ。

何だろうか、触れれば壊れてしまいそうな儚げな喋り方に
彼女の命が尽きかけているのではと思わずにはいられなかった……

「すいません。全く記憶がなくて……、変なこと言ってませんでしたか?」
ぼくは恥ずかしげに昨日何があったのかをエミに聞いた。

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「別に、お客さん随分飲んでいたけど、あまり喋らなかったから……」

「そうですか……、あっ!昨日のお勘定……」
ぼくは内心幾ら請求されてしまうのか不安でたまらなかった。

しかし、エミは首を横に振ると、
「お金はいいって……」と申し訳なさそうに呟き言葉を続けた。

「ただ、ママがお客さんと一緒にお使いに行って来て欲しいって……」

「お使いって……」
エミは戸惑いがちに俯くと説明し始めたのだ……

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どれだけ遠い土地へ向かおうと言うのだろうか、
エミといた部屋を出てからかなりの時間が経過し、
見慣れない車窓ばかりが窓のスクリーンに広がっていた……

ぼくらは○×県にあるM別市へ向かう、
古びたローカル電車のボックス席の中で向かい合う様に座っていた。

何故ならママのお使いと言うのが、
二人で遥か遠方の地にある緑の花牧場まで行く事だったのだ。

ただ、そこで誰かと会えとか、
牧場で何かを手伝え等の支持は無く、ただ目的地へ行くだけのお使いだった……

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もっとも予定も無いので、
飲み代を払うよりもぼくとしては都合が良かった。

しかし彼女と二人きりというのは少々居心地が悪かった……
彼女の方も、あまり人慣れをしない方なのか、
気まずい思いを感じているようで、

それを解消するためなのか、ぽつりぽつりと、言葉を紡ぎ始めた。

しかし、
なかなか会話が長く続く訳でもなく、
彼女は溜息を吐きだすと身の上を話し始めた……

彼女が言うには店のママと出会ったのは、
最近のことなのだと言う……

エミは行く宛も無く歩いていたところママと出会い
店を手伝うようになった……

あまり他人に対して興味を持たない方だったが、
何故か彼女の事を少しずつ興味を持つようになっていた。

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それは彼女がリストバンドに隠された訳ありだからと言うのでは無く、
何か根本的にぼくは彼女に対して……

ふと思考の中の呟きを停止させ、
「何も考えない…、何も考えない……」
と小さく呟き、ぼくは無理に考えるのを止めにした。

何かに期待を求めて先の事を想像するのは
物凄く恐ろしいことである……

思えば昨夜から少々色んなことを考えすぎている気がする。
これ以上は、ぼくにとってあまり良い状態ではないだろう……

過去を振り返ったり、
未来に希望を持つのはぼくにとって精神的負担が大きすぎるのだ。

とにかく飲み代の代わりにお使いをしているに過ぎないのだ……

ぼくは彼女の話を上の空の様に聞き流し続けた……


裏路地小劇場 魔法少女 第三幕 完
第四幕へつづく……








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この記事へのコメント
見せ方が非常に上手ですね。
文章と絵が絡み合って、嫌がおうでも緊迫感が強まってくるのが良いです。こういうのはとても好きです。

どうも。場末でファンタジー小説を書いているLandMと申します。また読ませていただきますね。
2014/03/22(土) 20:25 | URL | LandM #-[ 編集]
Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
楽しんでいただいて幸いです。

また思い出した時にお立ち寄りください……
2014/03/23(日) 00:49 | URL | 風鈴のチリリンという音 #-[ 編集]
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