裏路地小劇場 魔法少女 第七幕


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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人の気持ちというものは、
どれ程うつろい安く多様性に満ち溢れているのだろうか?

ぼくのように考えないようにするしか、
生きる術を見いだせなかった人間にとっては理解し難いものもあるが、

可能であるならば、
自分自身の気持ちに制約をもたらさない方が良いのだろう……

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あれから、数ヶ月たった。

ぼくはあの緑の花牧場の近くにある町で住み込みで働ていた。

高齢者が多く、若い人のほとんどいないこの地域にとって、
期間限定とは言え、

外部から来たぼくの事を町の人は歓迎してくれたようだった。

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ある程度の思惑もあったが、
緑の花牧場の人たちとも時折交流があり作業を手伝う事があった。

この牧場には老夫婦に息子夫婦とその娘が住み、
あの時にあった女の子は息子夫婦の娘だったことになる。

また、少し離れたところには老夫婦の娘も暮らしていた。

ある意味、理想的な家族像を象徴しているのかも知れないが、
彼らにも忘れ難い影があった。

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この老夫婦にはかつて長女がいた。

時おり、はにかんだ様に笑う笑顔の特徴的な陽気な娘だ……

しかし、
彼女はある日突然家族に別れを告げていなくなった。

彼らはその理由については言わなかったが、
家族全員が悲嘆に暮れ、それを癒すが為にこの地へ越して来たのだ。

そして、
彼女は特異な星の下に生まれた娘だったと、

哀しみと、懐かしみを込めて語った……

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正直、もう帰って来ないのだろうと言う思いは強いのだが、
長女がいた証を残すために、

また万が一にも帰って来た時の為に、
看板にいなくなった長女の名を記しているのだ……

なんて言うことだろう……

こんな家族があったなんて……

この話を初めて聞いた時、
ぼくの中で失われたと思っていた過去の記憶が一気に吹出し、

何故彼らのように生きられなかったのかと自責の念に捕らわれた……

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それでも、
一生懸命働くことによって目の前にあるものだけを見るように努力し続けた。

やはり、
ぼくは意識して気持ちに制約をかけないと、
今この瞬間ですら生命活動を維持する事が出来ないようだった……

いいや、実際はどんなに制約をかけようとも、
思考はぼくの意思とは無関係にぼくに働きかけているのだ。

ぼくは単に、「考えない」と言う言葉で思考を埋め尽くし、
ごまかしているに過ぎないのだ……

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ぼくは疲弊し、
力なく微笑む毎日が続く様になり、随分と体重も軽くなったようだった。

そんな時、
町の人達はぼくの変わり様を心配し、

新しい環境になれないのだろうと気を使って少しの間ぼくに休暇をくれたのだ……


裏路地小劇場 魔法少女 第七幕  完
終幕につづく……


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