裏路地小劇場 即興新潟県 第六幕


それが何を意味していようが、そこに時間が存在し、何かが起き、僅かながらに『ヒトトキ』を感じるものである・・・

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ぼくは、
ねっとりと絡みつく視線に耐えながら、
ミント味のガムを一つ手渡した。

店員の女は、
まるでぼくに挑み、襲いかからんとする眼差しで、
キロ80円だなんて言わせない、200円はいただいて見せるわ……

と、言いたげにガムをひったくると、
舌なめずりをした。

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「おせんに、キャラメル、肉厚な抱擁などはいかがですか……」
店員は熱い吐息とともに、絡みつくような粘ついた台詞を吐き出すと、
ぼくの手を握り締めた。

しかし……
彼女の容貌は、ぼくの好みからは対極に位置するものであるはずなのに、
どういうわけか、欲情がこみ上げて来て仕方がなかった。

でも、こんなところで体力の消耗をする訳にはいかなかった。
ぼくには日本海へ行くと言う、ささやかな目的があるのだ。

そんな思いを抱きながら、この膠着とした状況を打破するために、
彼女の手をゆっくりと押し戻すように力を加えながら、
軽く頭を下げて丁重な断りを入れた。

女はがっかりしたように溜息を吐くと、ぼくの胸グラを掴んで引き寄せると
唇に口付けをし、それ以上の行為は断念したようだった。

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車に戻ると、
店員が付いて来ていないことを確認して直ぐにロックした。
襲われるのではないかと言う恐怖感が、ぼくの指先の震えを誘ったのだ。

「まいったな……」
唇についた真っ赤な口紅を拭うと、
クーラーボックスに入れておいた缶コーヒーで口をすすいだ。

まだまだ完全な夜明けとは言えない時間帯なのに、
この疲労感はどうだろう……

 一般道で旅することに馴れていないぼくにとっては、
この先まだまだ知らない世界が広がるのだ。

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そんな事を考えるぼくの脳裏には、
子供の頃毎日の様にぼくを震え上がらせていた、
夏休みの怪奇特集の事が思い浮かんだのだった……


裏路地小劇場 即興新潟県 第六幕 完
次回 第七幕へ つづく……



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